団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

団地と時間

雨が降りそうで、大きめの傘を持って行ったけど、今日は結局降られなかった。

お昼休みの時にヤフーの雨雲レーダーで確認すると、どうやら通り過ぎたらしい。

 

帰りもやっぱり雨は止んでいた。少しだけど、地面はしっとりとした感じ。

 

腕をだらんと伸ばして歩くと傘の先が地面にこすれる。

それがいやで、少しだけ肘を曲げながら歩いた。

ただのビニール傘だし、600円くらいだし、使った後もろくに広げて乾かさないような気の利かない僕なので、どうせすぐ錆びさせてダメにしてしまうのに、それでもわかってて傷をつけてしまうのは嫌だった。

 

信号待ちのあいだ、水たまりを傘でぐるっとかき混ぜると、落ち葉が水のうえを小さく走った。

 

 学生の頃は、もう少し時間がたっぷりあるような気がしていたのだけど、

仕事をし始めてから、時間は止まってくれないんだなと、当たり前のことをよく思う。

 

だけど、団地の敷地内に入ると、自分の時間を止めてくれるような気がする。ようやく、息継ぎができるような気がして、ゆっくりと顔をあげてしばらくたゆたう。

 こんなふうに、どうにか息継ぎをしながら生きていく人のために、僕のために、団地のために、何かしたいなと思いながら、傘を揺らして帰った。