団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

飲酒

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 ビールを飲むようになった。お中元か何かのおすそ分けで5〜6本のスーパードライを貰ったのがきっかけだった。

 長く置いておくと味が劣化していくばかりだし、何より冷蔵庫がかさばるので、1日1本のペースで空けていくことにしていたのだけど、4日目、冷蔵庫の奥に並ぶスーパードライが最後の一列を残すのみになったくらいから、急激にビールがうまく感じるようになった。

 

 しっかりと冷えたビールをグラスに注ぎ、喉をぐっぐっと鳴らすように飲む。飲むというより食べている感じだな、と毎回思う。

 

 鼻の奥で泡が弾け、酸味と苦味のまじった独特の風味が鼻を抜けていく。この残り香が嫌いだったはずだが、どういうわけかもうひと口…が続いてしまう。

 もうひと口、もうひと口を続けていくうちに、すっかり頭のさきまでビールがなみなみと溜まってしまい、少し心地よく痺れてくる。横になって全身にビールを行き渡らせると、心の底に沈殿している澱がふわっと広がった。

冬の香り

 寒くなると木々が枯れゆくらしい。網戸から冷たくなった空気とともに、乾いた木の皮をめくったような匂いが吹き込んできた。秋と冬が来たんだな。

 

 妻が醤油とだしで煮物を作ってくれた。これも冬の香りだ。

からしが欲しくなったので、温めてもらっている間にコンビニまで買いに行った。肌寒さがうれしい。

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友人

 土曜日に友人と会ってご飯を食べた。というよりもう水曜日になったのか…月曜と火曜が思い出せない。涼しくなってきているというのに電話をしながら汗ばんでいた覚えはある。たぶん良くない記憶だ。思い出すなら良い記憶のほうがいい。

 

 心斎橋をぶらぶらと、2軒で飲み食いしながらいろいろを話したりした。

 勢い余ってこのブログのURLを友人O氏に教えた。彼の知らないざっと4年前くらいの僕の過去を、このブログを通じて知られると思うと恥ずかしい。いや案外そこまで見ないかもしれない。それはそれで悲しいな。今とは違う質の苦しみにもがいていたころの僕だ。

 

お返しにYouTubeにアップロードしている彼の「歌ってみた」を見せてもらった。恥ずかしいとかなんとかで、ちらっとだけ画面を見せてもらっただけだ。

目に焼き付けておいて、あとで検索してやろうと思いぐっと目をこらしたのだけど、画面に散らばる散漫なキーワードしか思い出せない。帰ってから、なんとかそれらをつなぎ合わせてググッてみたものの、ヨガのポーズで24時間過ごしてみるというシュールな動画がヒットするだけだった。だめだ、記憶の大事なところに辿り着けない。美味しいビールが効きすぎた。

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一週間

久々に会社へ行った。いつもと違う場所で仕事をすると、それはそれで捗るものだ。…会社に行ってそんな感想が出てくるくらい、リモートワークが僕の生活スタイルに定着してきているのかもしれない。

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とにかく仕事をして、急いでご飯を食べて、だけど仕事のことでぼうっとした不安を抱いているので味にもあまり意識がいかなかったり、泥のように眠って起きて、それからコーヒーを飲んで無理やり頭を叩き起こす、そんな一週間だった。

 テレビもほとんど見なくて、社会の出来事を知る術は日経新聞電子版の通知と、ツイッターぐらいだった。最近はいろいろな人の訃報に触れる。テレビで見たことがある人の死のニュースを聞いて、驚いた。

 死はぼんやりと怖い。自分に希死念慮があるわけではないのだけど、自分と死との距離感が本当はあまり良くわかっていないのではないかというところが怖いと思うようになった。

 訃報によせてまさか…というコメントを多く見かける。死を考えているだなんてことは、どんなに側で見ていても、窺い知ることはできないのかもしれない。と同時に、自分こそ自分の死というものがどれほど近くに迫っているのか、というのも自覚ができないのかもしれないなと感じた。

 自分をちゃんと意識的に甘やかしていかないといけないな… 午前2時まで仕事をしている場合ではない。明日は少し遅めに起きて、コーヒーをゆっくり飲んで、ジョギングをして、そういうのんびりした休日にしたい。

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夕日を浴びた

自宅で仕事をすることが多くなった。テレワークがすっかり日常になりつつある。毎日通勤してた時のことを思うと、肉体的なダメージがいくぶんか減ったような気がする。気がするだけかもしれない。

 夕方ごろ、コンビニまで散歩に出かけた。夕日を久しぶりに顔から浴びるとやたらにまぶしい。光につつまれる感覚に目覚めるとでもいうのか、腹の底でくたばっている僕の野性が寝返りをうった。

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虫の声に囲まれて

午前2時になっていた。こんな時間まで仕事をしていた。

網戸越しに虫の声が聞こえる。疲れた。もう少しこのまま横たわってたいのだけど、目を開けてられなくて眠ってしまうんだと思う。

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