団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

ニュータウンと僕

 神戸で彼女と遊んだ帰り、明日は祝日だし休みだしということで、実家へ帰って泊まることにした。

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 僕の地元はいわゆるニュータウンで、マンションや団地が立ち並んでいる。23時過ぎ最寄りの駅に着くと、同じように休日前だからと遅くまで遊んだ人たちが各々の家へ向かってとぼとぼと散っていった。

 

  駅の周りには木がない。だけど木が呼吸をする夏の匂いがした。思わず静かに深呼吸をして上を見上げた。駅前ビルの魚民の看板が光っていた。

 

 太陽が落ち、昼間にため込んだ熱を吐き出す地面の上で、じっとり汗をかきながら歩いて帰った。こんなに暗かったっけと思った。駅前のスーパーは営業時間を短縮している。一時期は24時間営業だったらしいが、今は22時までになっている。

 

 今年は僕は25になるけど、今日までの記憶は断片的に残っている。

 大概の記憶はいちいち思いだすことはないけど、こんな夏の匂いを嗅いだりしたときに、ふと蘇ってくる。あの頃の僕が今の僕なんだと言われても、なんか実感がわかない。そうやって別物になっているのかと思うと、今の僕もまた別の人間になっていくのだろうか、とまで考えてしまう。

 

 1967年、ひとつの町が生まれて、今年50歳を迎えた。

僕の地元は、僕と同じように歳をとって消えていくのかもしれない。