団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

団地と労働

 今夜も23時を回ってしまった。早く帰りたいんだけど、どれだけ残業をしても不安と仕事は消えていかない。

 

 

会社を出て電車を一本乗り継いだ。

駅を降りれば、消灯を待つショッピングセンターのクリーム色の電球と、わずかな車の音。あとは全部木やら夜やら空き家。

労働できしんだ僕の体はもう何も思い出せない。会社への行き方ももうたどれない。

 

これだけ遅くなると人はいない。どこかの家の風呂場から小さく物音が響いた。どこまでも夜の団地だった。