団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

団地#01 大阪市営佃住宅

団地を撮っていきたいなといつも思う。動機は正直わからないけど、僕の生まれ育ったのが団地だから、に過ぎない。

 団地を見るとき、郷愁・ノスタルジーな"物語"がくっついてしまい、そのものの造形の美しさを鑑賞することを邪魔している、と石川初という建築家が言っていた。

 言われてみれば確かにそうだと思うけど、僕はその物語性は、原風景に近いものがあるんではないかとも思う。

田んぼ・太陽・青空・セミの声・日本家屋の組み合わせがためらいなく日本の原風景だと思えるように、団地もまたすべての人のふるさとだ。

 

 そんなわけで大阪市西淀川区の佃住宅を訪れた。

f:id:oimo_denpun:20180204130410j:image

団地敷地の前にはデイリーヤマザキがあって、その前に立って写真を撮った。

築年数は古いけど、定期的な補修をしているのか、クリーム色の壁面がきれい。

f:id:oimo_denpun:20180204130637j:image

 とても大人しいファザードだなと思う。

団地の外観というのは生活感を丸呑みしてしまうほどの強さを持っている。

f:id:oimo_denpun:20180204130845j:image

住戸棟と向かい合うように立つエレベーター棟は、おそらく増築されたものだ。

最近は高齢化に伴い、バリアフリー設備を導入している団地も多く、佃住宅も例外ではない。

f:id:oimo_denpun:20180204165938j:image

エレベーター棟の横顔はリズムが良い感じ。

f:id:oimo_denpun:20180204163200j:image

棟と棟の間には小さな公園もある。

きれいに塗装がやり直されたジャングルジムを横目に、敷地内の自販機で買った甘酒を飲んだ。

f:id:oimo_denpun:20180204164900j:image

久々に飲んでうまい。

 

f:id:oimo_denpun:20180204165030j:image

緑地帯にハンドメイド感のある小さな花壇があった。

f:id:oimo_denpun:20180204165125j:image

近所の人たちで持ちよったであろう机とイスがあった。

今日は寒くて人がいないが、暖かい日にはここで一緒に談笑したりするんだろう。

f:id:oimo_denpun:20180204165310j:image

ささやかな何か果実の苗木もあった。

団地というのは、はたから見ると無機質で無表情な空間に思われるかもしれないけど、

実際に住民の生活はあふれ出てくるものなのだな、と思う。

f:id:oimo_denpun:20180204170108j:image

号棟標示も流行りのオシャレなフォント。

f:id:oimo_denpun:20180204170227j:image

ダストシュートは現役なんだろうか?

レンガの縦ラインが良い感じですね。 

f:id:oimo_denpun:20180204170336j:image

小さい子もよく見かけた。どこかに遊びに行くのか、モコモコの厚着をして自転車に乗っていった。

いい団地だなと思った。