団地の中から

人間の“場所”について考えるブログです

新幹線定期はつらくても、住みたい街で暮らす

 新幹線定期を使って、毎日新潟と東京間の通勤をする女性会社員の記事を見かけた。

www.nikkei.com

  記事にもあるのだけど、この方は生まれ育った新潟と会社のある東京の2拠点を、毎日新幹線で行き来しているらしい。

 

 ツイッターなどでこの記事に対するコメントを探してみたら、長期間それを続けることは体力的にしんどいのではないか、という意見がいくつかあった。ただ、そういう懸念事項を挙げつつも、全体的には働き方改革の一環として良い取り組みだと受け止めてたり、羨ましがる人が多いようだった。

 僕もこの新幹線定期はいいと思う。毎日片道2時間以上の乗車は体には負担かもしれないけど、その間の移動時間はいろんなことに使える。仕事の段取りを整理整頓したり、仕事の技術書を読んだり、ボーッとしたり、ツイッターをしたり、ちょっと眠ったりできる。(どれも席を確保できるというのが前提だけど)

 何より、そうやって車窓から見える東京という街の明かりを脱ぎ去るように抜けていって、自分の体が夜へ還っていく。そういう儀式めいたものがないと、僕らはうまく一日を閉じることができない。そう思うからだ。

 

 今回の場合は、新潟県湯沢町が新幹線定期の補助制度を始めていたことや、会社に通勤補助制度があったこと、上司をはじめとして社内に理解があったこと、そういう色々な条件が上手くぴったりとハマったからというおかげもある。

 ただ間違いなく言えるのは、働き方改革という言葉がちゃんと(少しずつだけど)進んでいるということだ。それは僕たちが働いて生きていく中で今まで犠牲にせざるを得なかった「住みたい街で暮らす」ということを実現するための土壌づくりが今、まさに行われているということなのだと思う。